長年住み慣れた家に高齢となっても住み続ける為には、「介護」について考えなければいけません。
一般的な家というのは、当然のことながら「介護」を想定して計画されていません。 そのため、在宅介護を考える場合、しばしば「介護のしにくさ」が問題になります。
高齢者を抱えるお宅では、そのためにリフォームを考える方も多いのではないでしょうか。 今回は「介護リフォーム」について少々お話を。 「介護リフォーム」とは「介護をしやすい家にするためのリフォーム」のことを指します。段差をなくしたり、出入り口の間口を変更したりとバリアフリー化に基づき行われるものです。
リフォームと言えば、高額なお金がかかるんじゃないか?と心配される方もいらっしゃると思いますが、「介護保険」を使うことにより、費用の9割の補助がうけられることもあります。
これは、「高齢者住宅改修費用助制度」と呼ばれるもので、工事費用の10パーセントの自己負担で工事を行うことができます。
ただし介護保険のリフォームを受ける為には受給条件があります。
1.「要支援、もしくは要介護状態にある」という認定を受けていなければな
りません。 2.「要介護認定を受けている本人が住んでいる家」のみが対象となります。
3.「20万円以内の介護リフォーム」であること。
4. 支援対象となる住宅改修であることです。
このうち1と2は介護認定を受けていてご本人が住んでいることという当たり前といえば当たり前の条件です。3も改修部分を限定すれば可能だと思われます。
問題は少し複雑な4の要件です。
この介護保険を利用したリフォームというのは、どんなリフォームでも支給対象とはならない事に注意が必要なんですね。
ではどういったリフォームが対象となるのか?
①手摺の取付 階段や廊下に手摺を取り付けるリフォームです。
②通路等の段差または傾斜の解消 家の中に段差があると車いすでの生活に支障があります。 これを解消するためのリフォームです。
③移動の円滑化のための床材変更 滑りやすい床材などは、足腰の弱くなっている方には大変 危険なものです。それを改善する為の床材張替も対象と なります。
④扉の取替 車いすの方にとっては、「押して開ける扉」や「手前に引いて開ける扉」 というのは非常に使い勝手の悪いものです。これらを引き戸に変更する リフォームも対象となります。
⑤便器の取替 和式トイレというのは、足腰の弱い方々にはつらいもの。
足腰への負担の少ない様式トイレへの切り替えも対象です。
⑥上記の住宅改修に付帯して必要となる工事 上記①~⑤の工事を行う為に、手すりを付ける部分の壁の補強工事や、 トイレを変更するにあたっての排水工事なども補助の対象です。
以上のような条件がありますが、4つの条件を満たせば、かなり恩恵の大きな制度ですから、該当される方は、一度ケアマネージャーさんにご相談される事をオススメします。こういった制度を有効に利用すれば少しでもご負担が少なく今の生活環境が改善されることですから、対象の方はご一考下さい。